雑なマインドノードふう思考整理術
仕事でも家でも、頭がとっちらかってよく分からなくなっている。同時に考えることがらが多すぎるなーと思っていたので、マインドノードふうに考えを書き出してみたら、なかなかしっくりきた。
少なくともA4以上の大きな紙に、真ん中に「今の自分」を置いて、頭のなかをぐるぐるしていることを放射状に伸ばしていく。
ぱっと思いついたキーワードをまず生やして、それにはこれが必要だな、あれを先にやらないとな、といったことを枝にしていくと自然と構造っぽく整理できる。枝同士で関連線ひいたりして。さらにToDoみたく用の済んだものは × で消せて気持ちよい。
一時期GTDをやろうとしたことがあるけど、線形に気になることを書き出そうとすると、気になること同士の関連や包含関係が書きたくなる → うまく書けずにモヤる、という経験をしていたので、そこを解決できるマインドノードはよさげに思える。しばらく実践してみようと思う。
家にNASを導入した記録 (2)測定
前の記事のつづき。バックアップもできたので速度を測定する。
前提条件
測定は以下の条件で行う。ベンチマークソフトは使うのが初めてなので正確でないかもしれない。
- マシン:MacBook Pro (Early 2015 / 512GB ssd / 無線LAN)、iMac (Mid 2011 / 1TB HDD / 有線LAN)
- ソフト:AmorphousDiskMark
- ルータ:AtermWG1800HP2
測定結果
MacBook Pro + 11ac(5GHz)
この数字が基本となる。
MacBook Pro + 11n(2.4GHz)
2.4GHzは5GHzより規格上遅いが、実際に影響のあるレベルで差があることがわかった。
iMac + 有線LAN
やはり有線は安定している。
参考1:MacBook Pro 内蔵SSD
桁が2つ違う!
参考2:iMac 内蔵HDD
ネットワークディスクより遅いのなぜだろう・・・
結果
環境によりどの程度速度に差が出るのかわかり有意義だった。でかいファイルコピーなどはやはり有線接続できるとよいのは間違いない。
家にNASを導入した記録 (1)製品検討
メインのPCにMacbook proを買い足して、今まで使っていたiMacを家庭共用(写真や書類置き場)とした。今までバックアップが必要なPCはiMac1台であったので、外付けHDDをTimeMachine用として使っていたが、今回より2台になった。両方バックアップはしたいし、Macbook proはノートなので無線でやりたい。ということでNASを導入することにした。
スペックの検討
ディスク容量の見積もり
iMacのHDD容量は1TB(約80%使用)。既存バックアップ用の外付けHDDは2TB(約90%使用)。そこにMacbook pro(SSD 512GB)が加わるので、少なくとも3TB以上の容量が欲しいところ。
NASの仕様
HDDを自分で選びたいのでドライブレス(HDDの付属しないもの)を選ぶ。
最近のNASは色々多機能らしいが、今回はTimeMachineのバックアップさえできればいい。AFPに対応しているか、公式でTimeMachineをサポートしていることを確認する。
あとはRAID 1が使えること。これは2ベイの製品を選べばまず大丈夫。
以上を前提として、実際の製品を選ぶ。
製品の選定
NAS
2017/1/1現在でAmazonで売れ筋なのはSynology DS216jとQNAP TS-231+という製品。Synologyは社名でググると取材協力の記事がいっぱい出てきており広告してるなー感がある。実際に使ってみた記事・情報が豊富にあるのは良いが。ハードウェア的なスペックではQNAP TS-231+が上回り、価格もやや高い。
今回はAmazonで即納状態だったTS-231+を選んだ。
HDD
Akiba PC WatchのHDD価格動向を見て今出ている機種とだいたいの相場を調べる。各社NAS向けとされるラインナップ(Western Digital RED、Seagate IronWolf、HGST Deskstar NAS)があるので、その中から選ぶことにする。この中ではWDが多数派、Seagate、HGSTがそれに次ぐ印象。HGSTは価格がやや高め。
Amazonで見ると、WD Redは一番の売れ筋らしくレビューがたくさんついている。Seagate IronWolfはAmazon独自の延長保証がついて都合4年保証になっている。HGSTはというと……あれ?4TB2台分だとあんまWD Redと変わんなくね?
ということで日本人がなんとなく安心感を感じるHGST Deskstar NASの4TBを選択。
結果
となった。
正直ツクモのNAS福袋(DS216j + WD Red 3TB x 2が3万円ポッキリ) の存在にもう少し前に気づいていれば……!というのはあるのだが、まあまあ富豪めの構成ができた。
ディスクのアクセス性能は初回バックアップが終わってから計測することにする。
【読書】亡国のイージス、嫌われる勇気、USJ、小さなチーム、人類は衰退しました
おもしろかった。前半最後の、話の構造ががらっと変わるところが気持ちいい。構成をどんだけ計算しているんだか。
北の工作部隊、というか静姫のチートっぽさはともかくとして、キャラが立っていてアニメ向きだと思う。
- 如月行のイメージは東のエデンの滝沢朗
- 仙谷曹長はなぜか千と千尋の親父
- ホ・ヨンファはターンエーガンダムのミドガルド
が頭に勝手に浮かんで飛んだり跳ねたりしていた。
宮津艦長が、やっぱり「艦長」だからなのか、宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長になってしまって、そんな歳じゃねえのになあ、という違和感を最後まで拭えなかったのが若干心残り。キャラクターの語彙に乏しいな、自分。
一回棚にしまったんだけど、結局ブックオフで処分。1冊5円で上下巻10円だったに少しショックだったけど、よく売れたからだよね。新刊で買ったから許してほしい。
おもしろかった。納得できるところ多数あり。はてダの名エントリ「要は、勇気がないんでしょ」を思い出すなど。
響く層が広いんだろうなーというのと、(狙いどおりだろう)説得力があるので、今年ランキング1位になるのも納得する。
「嫌われる勇気」というタイトルはあまり的確なタイトルではないように思えるけど、まあ引っかかりそうな、フックになる題にしたんだろうな。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)
ニンジャスレイヤー的勘違いニッポン+ディストピア未来日本+諸々。まあまあ面白かった。「電卓」という翻訳がよい。電卓ゲームに夢中になってる日本人が実際いすぎてウケる。
黒髪の女性特高で腕にでかいガンアーム、というあたりで昭子のイメージがBlameのサナカンになってしまった。あんなに超然とはしていないのだが。
公言されている元ネタに「高い塔の男」という作品があり、「ブレードランナー」と同じ人が書いているらしい。そっちの方が気になった。
あとは文庫版では分からないけれどアートワークが素晴らしい。
小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則
RoRで有名なDHHことデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンの本。
共著のもう一人は「ジェイソン・フリード」という。すぐ忘れそう。
モチベーションの上がり方は★★★☆☆といった感じ。
この本自体が彼のマーケティングだしな、という覚めた視点が頭をちらちらする。
後は挿絵と文のレイアウトが少しちぐはぐな印象があり、原著ではどうなっていたのか気になる。
期待はずれだった。
名前だけ引用しているエントリを見て正月読む本に選んで買い込んだんだけど、2巻で読むのを諦めた。
自分はたぶん、もっと科学的考証が出てくるような、要はSFを期待していたんだな。
だけどこの本は単に人類衰退後の世界を舞台にしただけのファンタジーであって、理屈まる抜きで出てくる妖精さんとか興醒めでしかなかった。純粋にファンタジーとして見てもワクワク感がないというか、いま一つ世界観に入っていけなかった。人気の理由がわからない本リストに追加。
SIerとWeb屋のビジネスモデルの違い
ここらへんのエントリを見て書きたくなったお話。
世の中には2種類のソフトウェア企業がある
ソフトウェアを開発している企業は2種類に分類できる。(A)自分のソフトウェアを作っている企業と、(B)他人のソフトウェアを作っている企業である。
前者(A)は作ったソフトウェアを自分で売ったり運用したりして利益を得ている企業である。はてな等Web屋の文脈でイメージされるが、ATOKのジャストシステムや勘定奉行のOBCなどパッケージ主力の会社はこちら。
対して後者(B)は受託開発を主力とする企業である。いわゆるSIerに代表されるが、Web制作会社もどちらかといえばこっちだろう。Webという単語に惑わされると話を読み違えるので注意されたい。
(※はてなも受託開発してるし、実際には白黒ハッキリ分けられるとは限らないが、どっちが主力かということで単純化して考えてほしい)
この違いはビジネスモデルの違いであり、労働環境やソフトウェアの開発環境、それを決める戦略に影響を及ぼす。以下、ざっくりと違いを並べる。
(A)自分のソフトウェアを作るビジネスの特徴
- 作ったソフトが売れると(サービスが利用されると)儲かる
- より良いものはより沢山売れて、たくさん儲かる
- ソフトは自分のものなので、言語や環境の決定権を持つ。自由度が高い
- ソフトをより良くしようとすることに注力する(価値の最大化)
- ソフトが売れないと死ぬ
(B)他人のソフトウェアを作るビジネスの特徴
- オーダーメイドのソフトを作る
- ソフトは客のものなので、言語や環境の決定権は客にある
- オーダーメイドなので定価がない。お値段を決める必要がある。
- お値段の根拠に一番説得力のあるのは労働時間なので、労働時間に比例して決めることにする(人月の始まり)
- 労働時間が増えるとたくさん儲かる。労働時間を増やそうとする。(労働力=稼働の最大化)
- オーダーをもらえないと死ぬ
負け犬プログラマーの歩み/人生の負け組crapp 氏の書くことについて
技術を高めることに関心があるようなので、氏には(A)のビジネス環境の方が向いているように思える。しかし個人事業主で、しかも自分のサービス/プロダクトで勝負しているようには見えないので、(B)のビジネスをせざるを得ないところに不幸の種がある。せめて(A)で成功している企業から(B)の仕事を請けるべきである。労働環境や技術などでおこぼれがもらえるからである。(B)であるSIerから(B)の仕事を請けたのでは、氏が幸せになる要素がほとんどない。氏の個人事業主としての営業力でよりよい仕事が得られることを願うばかりである。もちろん、自分で(A)のビジネスを立ち上げられるのなら、それが一番なのは言うまでもない。
また氏はSIer憎しで(意図的にかもしれないが)問題をごっちゃにしている節がある。開発要員を協力会社に頼るケースが多いのは、元を辿れば日本の労働法に原因があると自分は思う。(B)のビジネスでは、開発要員を正社員で揃えると解雇できないので固定費が上がり、オーダーが足りずに会社ごと死ぬ確率が上がってしまう。技術と業務知識、どっちを残すかと考えると、外注できない方を残さざるを得ないのも当然だろう。
SlackをSIerに導入した件についてのssig33氏のコメント
小野和俊のブログ:SlackをSIerに導入した話。そしてSIerの未来
クレカまわりとデータ転送ミドルウェアの売り上げ構成比率が大きく、ソリューション事業はあまり大きくないという性質が大きいと思う
2016/11/29 00:20
このコメントは大いに首肯するところで、セゾン情報はSIerといいつつ(B)ではなく(A)に近いのではないか?ということを指摘している。
自社製品開発であれば客先常駐することはないだろう。製品価値の最大化もビジネスとして合理的である。しかしSIerとして一般化できる話かというと疑問に思う。(B)のビジネスをしているSIerとは環境が違いすぎるからだ。とはいえ、引き続きSIerの未来についてエントリがあるようなので期待して待ちたい。
SIer による SIer 評
自分は数千人規模のSIerでリアルに10年泥をやってる。仕事は2次請け以降が多い。下請けを探して採ったり切ったりする。自分は運がよくて最近はWeb系の開発が多く、gitやSlackとか、最近流行のなんかは普通に使う。プログラムも書く(コードレビュー、テストレビューにとられる時間が多くなったが)。ユニットテストも導入した。ただとなりの部署には、20年COBOLで同じシステム一筋なおじさんもいたりする。
……から見たSIerの話。書きぶりはともかく表面的なところは [SIer]エンジニアから見たSIerがさほどクソではない理由 が割と近しいので譲るとして、それ以外の点でいうと、
人の役に立つシステムを作っているという矜持
が一番大きいかなあ。
小野さんのブログのなかで
日本のITの大半がSIなのだから、SIが終わるということは、基本的には日本のITが終わるということだ。
という一文があって、これはそう誇張でないと思っている。なぜなら、月末にちゃんと給料が振り込まれるのも、今自宅のPCに電力が供給されるのも、コンビニに物資が配達されるのも、工場でガジェットがちゃんと生産されるのも、JRの在来線が時間通り運行されるのも、市役所で色んな手続きができるのも。全てSIerが作ったシステムが安定稼働しているからなのだから。おおよそぱっと目に入る所の裏に隠れているシステムはだいたいSIerが作ってる。まあパッケージかもしれんけど(それもNECや富士通製かもしれない)。そういう普通の社会に貢献している意義はそんじょそこらのWeb屋には遠く及ばない領域にいると思っている。
自分はDeNAのWELQを軽蔑する。(A)のソシャゲが儲からなくなった企業の哀れな姿だと思う(それどころかこの件は反社会的といえるレベルだが)。また重課金者をターゲットにしたゲームも潔しとしない。最高の技術でパチンコ中毒者を再生産するのと、COBOLでレガシーなシステムの保守をするのなら、自分は後者を選ぶ。それが自分の矜持だ。
もちろんクソなところはたくさんある。書ききれないほど。最高の技術で、クソなことに一切煩わされず、人の役に立つものが作れるなら一番良い。でも現実には何かに折り合いをつけなくちゃいけなくて、折り合いを付けた人がSIerの中から社会の歯車を回しているんだ。
公務員の接待ゴルフ解禁を求める国会議員リスト
この件、Google先生にお尋ねしたところお名前出てきたので下記にまとめました。
「業者らとゴルフ禁止」国家公務員の倫理規程 見直し困難 | NHKニュース
- [行政]
- [政治]
超党派の議員連盟など(業界団体など?)が規定の見直しを求めるも、人事院にピシャリをはねつけられたとのこと。国民の代表であるべき国会議員と民意の乖離が激しい。なぜ議員連盟の名前を報道しないのか
2016/10/09 17:19
連名の発起人であり、要職を占める国会議員は次の通り。超党派というだけあってバラエティ豊か。
- 衛藤征士郎(自民党。衆議院、大分二区。名誉会長)
- 山岡賢次(民主党→生活の党。参議院、比例代表。会長)
- 中曽根弘文(自民党。参議院、群馬選挙区。会長代理)
- 漆原良夫(公明党。衆議院、比例北陸。会長代理)
- 浅尾慶一郎(みんなの党→地域政党代表。衆議院、神奈川4区。会長代理)
- 穀田恵二(共産党。衆議院、比例近畿。会長代理)
- 重野安正(社民党。元衆院。会長代理)
- 下地幹郎(日本維新。衆議院、比例九州。会長代理)
- 園田博之(たちあがれ日本→次世代の党→自民党。衆議院、熊本4区。会長代理)
これらの議員ふくめ衆参合わせて計70余名が参加しているとのこと。
また、国会議員の他に業界関係者として以下の人物の名前がある。*1
- (社)日本ゴルフツアー機構 小泉直会長
- (財)日本ゴルフ協会 安西孝之会長
- (社)日本女子プロゴルフ協会 小林浩美副会長
- 日本ゴルフ関連団体協議会 小宮山義孝会長
- 片桐達浩常任理事
考察
連名の目的は
- 「ゴルフ利用税の撤廃」
- 「国家公務員倫理規定」のゴルフ禁止規定の削除
であると明記されている。
また『昨年12月のJGA主催の「ジャパンゴルフツアー」表彰式でもこの”撤廃”と”削除”に向け精力をを注ぎたいと挨拶を致しました。(昨年の記事・動画をHPからご覧いただけます)』とあることから、接待ゴルフ解禁の要求・主張は以前から公然と行われていたようだ。
活動の背景には「ゴルフ利用税撤廃」の130万人もの署名があるようだ。まったく興味がなかったので知らなかったが、ゴルフ利用税というものがあり、この税金の撤廃を求める運動は以前からあったらしい。ゴルフ利用者の立場からすると、税金を安くしろと主張するのは分かる。
ただ国会議員の接待ゴルフ禁止規定は一般のゴルフ利用者には関係ない。とすると、どこでこの要求が盛り込まれたのだろうか?
個人的には日本ゴルフ協会などの業界団体ではないかと邪推しているが、真相は分からない。赤旗かどっかが調べてくれないだろうか。
ソース
*1:なお記載の役職は当時のもの。役職を退いたり既になくなっている方も含む。
【読書】とっぴんぱらりの風太郎、保守主義とは何か、コンテナ物語
期待したのとちょっと違った。裏表紙のあらすじのニート忍者という単語から同じ京都小説のくくりの森見登美彦的なものを期待していたけれど、実際は王道な展開のある時代小説だった。オチで、ああこれは「プリンセス・トヨトミ」を先に読んでおくべきだったんだな、と気がついた時には後の祭り。これといい「聖なる怠け者の冒険」といい、連載ものの小説って焦点が定まらないというか、凡庸とした印象を受けるのは気のせいだろうか。面白かった(下巻も買った)けどもう一回読みたいとは思わないのでブックオフ行き。
保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)
面白かった。保守主義ってそもそも何なの?原点どこなの?という疑問に答えてくれる本だった。元々は進歩主義(理屈上は最高に平等なルール考えたぜ!)に対するカウンター(人は完璧なルールが考えられるほど賢くないぞ落ち着け)で、進歩主義的な考えが魅力を失った現在では保守主義も逆説的に立場があいまいになっているという辺りは、歴史を俯瞰する見方として分かりやすく面白い。日本においては自民党vs社会党の55年体制がそのまま後半を象徴している。また現代日本の保守を自認する人たちは、実はただの明治懐古主義者なんじゃないの?という疑惑も透けてくる。なんとなくリベラルを自認する自分にとっても考えを振り返るきっかけになった。文庫入り。
はてブやなんかでおすすめされてた本。図書館で借りた。大変おもしろかった。沖仲仕ってなんぞ、古来の港とはなんぞというところ、マクリーンの生き様が特にいい。マクリーンが亡くなったとき世界中のコンテナ船が汽笛を鳴らして弔意を表したという辺りは感慨深いものがある。これから図書館に返しに行くけど、ブックオフに置いてないかなあ。