【レビュー】直立型おんぶ紐「Piggyback Rider」感想
長男は4歳、次男は2歳で、そろそろおんぶ紐が辛くなってきた。おんぶ紐はエルゴベビーのものを長男が生まれてすぐから愛用していたが、2歳児はそろそろ足とかはみ出してる感じになってきたし、いわんや4歳児をや。
代替品を探してPiggyback Rider(ピギーバックライダー)を購入・使用してみたところ、エルゴの代替として失敗であったので、それについて書く。
製品について
自分が購入したものは「スカウトモデル」というもので、ほかにリュックが一体化した「エクスプローラモデル」がある。パッケージの内容は上記のような感じである。いい紙質の英語の説明とペラペラの日本語の説明が入っており、いかにも直輸入ですという風情がある。
下の金属のステップは剛性感があり、子供が乗るのに不安はない。またバックルやベルトの作りもしっかりしており、ちゃんとした製品という印象を受ける。そういう意味では悪いものではない。
何が良くないか
エルゴとの比較になるのであらかじめご承知いただきたい。
試着できない
なぜなら実店舗に置いてないので。こういった子供グッズは購入の前に試用するべきだが、それができない。日本の輸入業者が宮崎の零細企業で営業力がないためだろう。
子供が寝られない
子供が立っていてくれることを前提に設計されている。ハーネスがついていて寝ていきなり転落することはないが、エルゴのようなガッチリホールドされた安心感はない。実際には子供を載せて歩いていると輸送反応で子供は眠たくなるが、これではそのまんま寝かすのが難しいという矛盾がある。この時点でかなり実用度が下がる。
不安定である
エルゴは親の体と子供の体がガッチリと一体化し、大股で歩いく程度では全く問題ない。この製品は子供が足を乗せ体は少し離れる構造になっているので、必然的に親の重心と子供の重心がズレる。結果、子供がちょっと身じろぎするくらいのことが親のバランスに影響してしまう。平たくいうとよろける。
また、親が大きく体を動かすと子供が足を滑らせステップから落ちることがある。ハーネスがあるので地面に落ちることはないが、もう一度足をステップに乗せるのはかなり面倒だ。ここでかなり満足度が下がる。
かさばる
収納しにくいのである。特に剛性のあるステップがあだになって、カバンにしまおうとすると邪魔で仕方ない。業者は「軽量でかさばらない」と主張しているが、何と比べてるんだ? ベビーカーに比べれば確かに軽くて小さいが。
またカバンから出して使おうとするときも、子供にハーネスつけて大人がこれ背負ってバックルつけて……とめんどくさい。エルゴのくるくると巻いてカバンにしまい、必要なときに取り出せるのが素晴らしく使いやすかったのだと気付かされる。
「あ、これはカバンにしまう前提の製品じゃなかったのかな、最初から背負って出てずっとそのままにすべきなのかなー」と思うと、今度はこれが背中を占有することに気づく。すなわちリュックと競合する。子供が乗るときは手持ちか前抱きである。それはエルゴも同じなのだが、この製品の場合ショルダー部分がナイロンのしっかりした素材で作られているのでリュックを2つ前後に背負っている感じになる。
重い
エルゴに比べかなりの重さを感じる。なぜエルゴはそこまでの重さを感じないのだろう?と不思議になったが、おそらく重心が一体化することで体重を支える箇所が分散しているのではないかと思う。これは前述の通り重心が分かれてしまので、文字通り子供の全体重が両肩に乗り、結果として肩だけで支えている状態になっていると思われる。
良かった探し
視点が高くなるので子供は少し新鮮だったぽい。あと人目を引く(これは自分にとってはマイナスだが)。両手が空く。
結論
あまりおすすめできない。少なくともエルゴの使用感には遠く及ばないので、それは期待しないこと。これで実現できることの7割くらいは肩車でもできるので、まずは肩車をしてみてよく考えることをおすすめする。