中国で自転車が新婚夫婦のステータスだったのはいつなのか
こういう記事を見た。
で、関連記事を読んでいると、こんな記述をみつけた。
中国では自転車はかつて、新婚夫婦が所有したいと願う4つのステータスシンボルの一つだった。他の3つは腕時計、ラジオ、そして裁縫用ミシンだった。中国経済が成長するにつれて自転車は輝きを失ったが、交通渋滞が問題になったため人気が復活した。
なにそれ興味深い。いつの話なんだろう。
文献によると
さっそくググったところ答えにかなり近い文章を見つけた。文教大学文学部白井啓介教授の論文である。
以下内容からメモ。
- 中国では自転車史の研究がされていないらしい。断片的な資料から推測するしかないとのこと。この論文では映画の描写をもとに考察している。
- 1926年の映画「一串珍珠(真珠のネックレス)」には人力車・自転車・自動車が登場する。この時点で自転車は連絡業務用に使われており、使用人の道具であって主人の乗り物ではない。
- 同年代の自転車の値段は欧米産のものが100元、日本産のがあったとして50〜60元との推測。月収100〜200元が中間所得層らしいので、高いけど買えなくはない。
- 戦後1946年「摩登女性」ではパンツスーツの女性が颯爽と乗りこなすモダンの象徴的な扱いをされており、20年代の泥臭いイメージとは一線を画す。
考察
分かったことから推測すると、中国で自転車が新婚夫婦の憧れになったのは、第二次大戦後の1945年以降、自転車がモダンなイメージで大衆的に普及してからだと言えそうだ。日本にも家電の三種の神器と言われるアイテムがあったが、それよりは少し早いかもしれない。そんなことが分かってよかった。この話はこれでおしまい。