auientの日常

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自分が臓器提供しない理由

自分に大した価値なんてないと思っていたし、気持ちの上では合理主義者だったので、自分がもし死んだときには体をバラバラにして内臓をあますところなく活用するのがよい、というかそうしなければいけない、それくらいしか自分が社会に貢献することはできない。と思っていた。

考えが変わったのは結婚して、妻に臓器提供希望を嫌がられたとき。どうして?と理由を尋ねたところこう教えてくれた。

「だって、もし不慮の事故であなたが死んだとしたら、悲しみにくれる暇もなく人がやってきてあなたの体に傷をつけるんでしょう。ただでさえ悲しいのに・・・」

なるほど、確かにそうだと思った。自分が死んだときの妻の衝撃たるや推して知るべし。社会の役に立つことは良いことだとはいえ、名も知らぬ誰かより妻の方が圧倒的に大事だ。仮に第三者の命を救えるとしても、妻の悲しみを少しでも和らげることの方が自分にとっては価値がある。

子供がいる今、社会にとって自分に価値があるかどうかはともかくとして、子供にとって自分が必要な人間であることは確実になった。自分は子供にメシを食わせなくてはいけないし、一人で生きていけるようになるまで色んなことを教えてあげなければいけない。

誕生日を迎え、新しい免許証の裏の臓器提供意思表示に○と署名を書き入れて、改めて「家族を大事にしよう」と思った。

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