auientの日常

ノンジャンルで書きたいことを書くブログ

【読書】とっぴんぱらりの風太郎、保守主義とは何か、コンテナ物語

とっぴんぱらりの風太郎 上 (文春文庫)

とっぴんぱらりの風太郎 下 (文春文庫)

期待したのとちょっと違った。裏表紙のあらすじのニート忍者という単語から同じ京都小説のくくりの森見登美彦的なものを期待していたけれど、実際は王道な展開のある時代小説だった。オチで、ああこれは「プリンセス・トヨトミ」を先に読んでおくべきだったんだな、と気がついた時には後の祭り。これといい「聖なる怠け者の冒険」といい、連載ものの小説って焦点が定まらないというか、凡庸とした印象を受けるのは気のせいだろうか。面白かった(下巻も買った)けどもう一回読みたいとは思わないのでブックオフ行き。

 

保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)

面白かった。保守主義ってそもそも何なの?原点どこなの?という疑問に答えてくれる本だった。元々は進歩主義(理屈上は最高に平等なルール考えたぜ!)に対するカウンター(人は完璧なルールが考えられるほど賢くないぞ落ち着け)で、進歩主義的な考えが魅力を失った現在では保守主義も逆説的に立場があいまいになっているという辺りは、歴史を俯瞰する見方として分かりやすく面白い。日本においては自民党vs社会党55年体制がそのまま後半を象徴している。また現代日本の保守を自認する人たちは、実はただの明治懐古主義者なんじゃないの?という疑惑も透けてくる。なんとなくリベラルを自認する自分にとっても考えを振り返るきっかけになった。文庫入り。

 

コンテナ物語

はてブやなんかでおすすめされてた本。図書館で借りた。大変おもしろかった。沖仲仕ってなんぞ、古来の港とはなんぞというところ、マクリーンの生き様が特にいい。マクリーンが亡くなったとき世界中のコンテナ船が汽笛を鳴らして弔意を表したという辺りは感慨深いものがある。これから図書館に返しに行くけど、ブックオフに置いてないかなあ。

 

 

我々の生活が依存するもの

小さな家で豊かに暮らす 森山直太朗さんも注目の“高級車より安い”「タイニーハウス」が世界的ブーム - Togetterまとめ

こういうの見るたび電気ガス上下水道インターネット電波物資医療と、いかに我々が依存するものが多いかということに想いを馳せざるをえない - auient のコメント / はてなブックマーク

昔のドラえもんのアニメに雲を固めるスプレーみたいなのが出てくる話があって、それで雲の上に家を作ったらいいなあ、と思ったぼんやりとした記憶がある。だけどその時、どうやって水道管をつなげたらいいか、というのが当時の自分の悩みだった。地面から雲の上まで天高く管を伸ばさないとダメだろうか?

その時以来というわけではないけど、僻地や変な住環境に置かれたとき、ガスや水道といったライフラインがどうなるか考えるのが癖になっている。せっかく思い出したので、普段の我々日本人の生活が何に依存しており、もしなくなるとどうなるかということを考えてみたい。

電気

電気は電化製品を動かすのに必要になる。これがないとPCや電子レンジは使えないが、生きてはいける。雲の上ならよく日が当たるし場所は十分あるだろうから太陽光発電で自給できそうだ。タイニーハウスではどうだろう。やはり電力会社と契約して、近くの電柱から電線をひっぱるのが一番よい気がする。屋根裏もないタイニーハウスなら配線も楽にできそう。あ、家の近くに電柱がなかったらどうなるんだろう? 石油か何かで発電機を動かすか、自然エネルギーに頼るか、電気なし生活になるしかないか。

ガス

ガスは熱源である。雲の上では調達できないので地上からガスか代替品を調達せざるを得ない。太陽熱で作ったお湯が使えると補助になりそうだ。さてタイニーハウスでは? ガス管が来ていれば都市ガスが最も快適だろう。ガス管のないところでは、プロパンガス、灯油の買い溜め、薪と直火、の順で豊かな生活が送れそうだ。熱源がない場合、冷えと消化の悪い食事に苦しみそうだが、まだ生きていける。

上水道

さて上水道である。言うまでもなく命をつなぐのに不可欠であり、何としても手に入れなければならない。雲の上だとどうにかして雲から水滴を集めたりできそうな気がする。タイニーハウスでは? 豊かな生活のためには、当然水道管のある場所に家があることを期待したい。これがないと雨水に頼るか日々水を汲みに行くはめになり、現代日本の生活水準からしてお世辞にも豊かとは言いがたい。

下水道

水道というと上水道ばかりに意識がいくが下水道も重要。下水道は汚水を処理し生活環境を清潔に保つ。雲の上では、汚水をそのまま地上に投棄することで家の周りは清潔に保てそうだ(地上の不運な人はたまったものじゃないが……)。タイニーハウスではやはり下水管があるところが望ましい。雲の上と違ってそこらへんに投棄すると住環境が悪化してしまう。下水管がないところではタンクにためておいて専門業者に回収してもらう必要がある。そういえばあのタイニーハウスの間取り、お風呂とトイレあったっけ?

ゴミ

下水道とやや重なるのがゴミの処理。キャンプカー生活してた人ここらへんの問題で炎上してた記憶がある。雲上なら単に投棄すれば良さそうだけど、タイニーハウスなら普通の家と同じで回収してもらわないとね。あ、燃やしてしまうという手もあるか。法律さえ許せば。

通信手段

インターネットを含め、電話、テレビなどの通信手段。これだけは他の電気や水道と異なり無線で利用可能なので生活のハードルはかなり低いと思われる。雲の上なら何かしらの電波を捕まえられそうだし、最悪衛星回線がある。タイニーハウスでも電波状況さえよければなんら遜色ない生活ができそうだ。まあ、近くに基地局なり中継局があって、受信状況が良好ならば、なんだけど。

物資

我々動物は食物を通じて栄養を摂取しており、従って食糧は必要不可欠なリソースである。その他豊かな生活を送るのに必要な物資は数えればきりがないが、とりあえず食糧だけを考えよう。雲の上はこの点で絶望的な環境であり、どこでもドアや航空機の定期便などその他のソリューションでの解決が必須である。タイニーハウスの場合、立地次第だが、宅配業者が使えるか行動範囲内にスーパーがあれば大丈夫だろう。

交通手段

そう、私は立地と言った。我々は家の外に一歩出れば道があるのが当然だと思っているが、果たしてそれは当然なのだろうか? その道が通行可能で、崖や川や山といった障害物で分断されておらず、他の町とつながる状態を維持できているとすれば、それはどれくらい重要なリソースなのだろうか?

医療

他とはやや毛色が異なるが「豊かな生活」というなら外せない。些細な風邪をこじらせないために、怪我や骨折を大事に至らせないために医療は必要である。なくても生存は可能だが、不安なく日々を暮らせるかどうかには大いに影響するだろう。

 

まとめ

一通り書き出して気づくことは、何にせよ「線がつながっている方が便利」ということだ。電気ガス上下水道が住居に有線接続されている意味は伊達ではない。変なところに家を建てるなら、できるだけ線がたくさんつなげられるように気をつけよう。

いつか将来、スマホなんかの身体測定と通信技術が発達したら医療も無線遠隔でできるようになるのかなあと思いつつ。以上。

 

最近読んだ本まとめてメモ

最近意識して本を読むようにしている。感想を都度ブログに書こうと思っていたら、ズボラで読んだ本だけがたまってしまったので、まとめて感想をメモしておく。

 

日本共産党研究――絶対に誤りを認めない政党

産経新聞の本。本屋で赤い表紙が目について購入……はせず、図書館で借りた。研究なのかと思ったら共産党とSEALDsの悪口が脈絡なく書き散らされているだけだった。せいぜい「観察日記」レベルの文章の寄せ集めで、これを「研究」と銘打ってしまう産経新聞政治部の日本語能力が心配される。図書館で済ませてよかった本。

 

仏教 第2版 (岩波新書)

ブックオフで108円で購入。明確な筆致で仏教とはなんであるか解説しており、分かりやすく良い本だった。産経新聞の本を読んだ後だったので尚更(?)実用的な日本語文章はかくあるべしと強く思った。この人の他の著作も読んでみたい。

 

死都日本 (講談社文庫)

シン・ゴジラを見た影響で災害と政治ドラマという切り口の話を読んでみたくなり購入。臨場感あり面白かった。これ確かに実際に起こったら日本終わるな?と思える。やや安直な政治批判が鼻につくのと、政府の対応はファンタジーだなあと思ってしまう点が気になる。これの後の日本がどうなったかの話を読んでみたい。

 

聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)

 四畳半神話大系以降ファンになった森見登美彦氏(実ははてなユーザ)の文庫新刊。この人のコピペが巧みに駆使された幻惑的な文章はnjslyrのシークエンス・ブレイクビーツ技法に通じるものがある。キョートだし。Twitter連載してみたらどうなるだろう。そういえば有頂天家族のアニメ2期が決まったようだけど1期見てないなあ。

 

以上。

マンション管理組合は小さな政治の場である

縁あって今年からとあるマンションの管理組合理事会に出ているのだけど、これがなかなか興味深い。

保守派と革新派があり、利害の対立があり、リアルな自転車置き場の議論があり、外的環境の変化—たとえば民泊に対応しつつ、予算と実績・収入と支出をバランスさせねばならず、なにがしか合意を得てことを進めないといけない。顔の広い人がおり、実務能力のあるがおり、理屈の通じない頑固なじじいがいる。まさに政治のミニチュアなのだなあということを強く思う。有権者の規模が小さいだけで。

有権者数(組合員)も理事会も人数が少ない分、議論になると発言力が強い人の制圧感などをリアルに感じられる。参加したばかりの自分は吹けば飛ぶような発言力しかない。

でもそこでちゃんと理論立てて話ができると注目を集められる。ちゃんと聞いてもらえる。ダイレクトな反応が返ってくるのはなかなか面白い。

 

思うに、管理組合といえば面倒くさいものの代表例と認識される節があるけれど、これは政治への無関心につながるところがあるんじゃないか。

「マンションは管理を買え」という言葉があるけど、これを政治に例えるなら「住む国を自由に選べるとしたら、よりよい政治が行われている国を選ぶべき」となる。なんとも当たり前のことだ。誰が進んで北朝鮮やシリアに住みたいと思うのか。

普段の生活ではあまり意識しない共用部の維持管理であるとか、必要な長期修繕計画の策定・見直し・遂行であるとか、それは誰かがやっている。入居者はその恩恵を被る立場にある。賃貸であれば話は別だが、区分所有であればその意思決定の責任の一端は間違いなく入居者本人にある。その責任に無関心でいいのだろうか。自分に最も身近な意思決定に無関心でいられるとしたら、どうして日本国としての意思決定に関心を持てるのだろう。

管理組合は面倒くさい=基本フリーライドしておけばいんじゃね?という姿勢には政治の無関心と根源的につながると思う。いつか本当に困ったときに気がつくんじゃないだろうか。それが身近には、自転車置き場や共用部の使い方として現れるのだと思った。

緊急事態条項がいらない理由を整理した

参院選自民党が勝利し、憲法改正がより近づいたと言われる。「日本会議の研究」にも書いてあったが、2016年7月現在の自民党の方針としては、憲法9条ではなくより通りやすい緊急事態条項の追加をターゲットにしているとのこと。

自分は自民党憲法改正には内容如何に関わらず反対である。なぜなら、安保法案のときの憲法解釈変更で分かる通り、自民党はそもそもルールを守るつもりがないと見えるからである。ルールを守らないやつが「ルール変えようぜ!」と言っているので、嫌な予感しかしない。

しかし「自民党が嫌いだから」で反対していたのでは議論にならない。緊急事態条項のこともあまり知らないのではよくない。

そこで、図書館で目についた本を借りてきた。反対派の弁護士によって書かれた本である。この本は読みやすかったが、急いで執筆・発行されたためか編集ミスが少し目立った。

よくわかる緊急事態条項Q&A――いる? いらない? 憲法9条改正よりあぶない!?

よくわかる緊急事態条項Q&A――いる? いらない? 憲法9条改正よりあぶない!?

 

以下この本から議論の要点を抜粋する。

 

続きを読む

選挙のときに考えること

参院選なので、自分の思考パターンを整理してみた。なおauientは反自民、左派より、特定の支持政党はない、というポジション。

1.投票日を確認

まず投票日。7/10(日)。2週間ほどまえから事前投票ができるので、なるだけ余裕をもって投票したい。

2.投票対象を確認

何を選ぶんだ、ということを確認する。今回は参議院議員選挙

参議院は6年任期で、3年ごとに半分ずつ議員を入れ替える。衆議院は4年任期、全数入れ替え、さらに首相の権限で解散可能なので、安定よりの制度設計となっている。

3.投票方法、当選者数を確認

投票所に行って、こんな書き方だっけ、とならないよう投票方法を確認する。今回は候補者の記名+政党名の2本。あと何人当選するのかも確認しておく。

3-1.選挙区選挙

候補者の氏名を記載する選挙区選挙。都道府県単位で選挙区があり、議員定数がある。自分がいるのは東京選挙区で、定数12のうち半数の6名が対象。

3-2.比例代表

党名を記載する比例代表選挙。全国統一の選挙区となり、定数96の半数48名が対象。

4.候補者を確認

こんくらい選ぶのかあ、という想像がついたところで候補者を見る。

4-1.選挙区選挙

  • 選挙公報を見て、投票しても良いかな、と思う人をピックアップする。ここらへんは印刷物があるとやはり捗る。
  • 現・元なら、前回選挙の得票数を調べて、今回当選しそうかな?と考える。
  • 自民党の大物や公明党のような、放っておいても確実に当選するだろうな、という人を当選者数から引いて、野党が取れそうな枠数を考える。
  • 当落ギリっぽいなと思う人を選ぶ。

4-2.比例代表

小さい政党や最近できたばかりの政党は死に票になる確率が高いので、大きい政党から選ぶ。

5.投票

投票に行き、あと開票速報を見守る。

 

 

前回の結果から考える

前回2010年の東京選挙区の当選者は以下の通り。

得票数はこちら。

民主党政権時代で民主が2枠とっている。これは蓮舫1枠になると思う。小川敏夫さん法務大臣とかやって活躍してるようだけど、厳しい気がする。

公明は通常運転。宗教法人の会計報告を公開義務づけ&寄付金に税金をかけるくらいのことを言いだしたら認めてやってもいいんだけどねえ。あと政教分離に反した法人はお取り潰し。

自民は2枠とるかな? あまり興味がない。中川雅治はいじめ自慢で炎上したけど多分みんな忘れてるか、そもそも気づいてなさそう。

で、旧みんなの松田公太は引退して、更に前回から定数が+1増えてるので、残り枠2つくらいと予想。

さて誰にしよう。

支持なしの件

「支持政党なし」の件。北海道で社民党よりたくさん票を集めたので、今回議席1つ2つくらいとるんじゃないかなあ。もし取ったらこいつのサイトに日本会議とかの組織票が行くと予想できるので、自分も投票参加しないとな。

 

ブラタモリ好きはきっとハマる、umegold先生の街道シリーズ

こんな記事を読みました。 

www.asahi.com

で、umegold先生のことを思い出したので紹介したいと思います。

 

umegold先生という御仁がおられます。原付で街道を走る様子を撮影した車載動画をニコニコに投稿されているのですが、そのクオリティがすばらしい。Google Earthを使った地図・地形解説や、江戸時代の旧道から今現在の道になるまでの歴史話がふんだんに出てきます。更にはゆっくりでおなじみsoftalkによるナレーションや、MAD動画的な要素もレベルが高いので見るものを飽きさせません。路盤。枡形。河岸段丘。いいですよね。

 

現在の所、街道シリーズとしては日光街道(完結)、奥州街道(完結)、甲州街道(制作進行中)の3つがあります。

こちらは記念すべき第1作の日光街道第1回。


【車載動画】原付で日光街道を走ってみた(その1)日本橋-浅草

1回が10分〜20分ほどですが、このサムネイルだけ見ても、その解説の丁寧さ・分かりやすさが伝わるでしょう。

 

気になった方は再生リストからどうぞ。ニコニコ動画だけでなくYoutubeにもアップロードされているので、お好きな方で。

 

個人的には、タモリさんが見ても面白がるクオリティだと思うし、NHKが見つけてタイアップして番組にできるレベルだと思うんですよね。そんなことにならないかなあ。